
風景写真に欠かせないフィルター、PLフィルターとNDフィルター。
どちらも光の調整に役立つアイテムですが、その効果は全く異なります。
今回は、初心者の方にも理解しやすいよう、PLフィルターとNDフィルターの違い、それぞれの効果、選び方、そして具体的な使い方を解説します。
PLフィルターとNDフィルターを効果的に使いこなして、より魅力的な風景写真を撮影しましょう。
この記事を読めば、それぞれのフィルターの特性を理解し、撮影シーンに合わせた最適なフィルター選びができるようになります。
目次
PLフィルターとNDフィルターの違い・それぞれの役割

PLフィルターとは何か?その効果と使い方
PLフィルター(偏光フィルター)は、光線の偏光方向を制御することで、不要な反射光を除去するフィルターです。
水面やガラス面などの反射を抑え、よりクリアで鮮やかな色合いの写真を撮影できます。
特に、空の青さを強調したり、水面下の様子を鮮明に写したりする際に効果を発揮します。
PLフィルターを使用することで、以下の効果が期待できます。
1: 水面やガラス面の反射の低減:水面やガラスに映り込む空や周りの景色を抑制し、水中やガラスの向こう側をよりクリアに撮影できます。
2: 空の青色の強調:空の青さをより鮮やかに表現し、コントラストを高めることができます。
大気の霞やもやを軽減する効果もあります。
3: 色彩の鮮やかさの向上:反射光を除去することで、被写体の本来の色をより鮮やかに表現できます。
特に緑や青などの色が鮮やかになります。
PLフィルターの使い方:
レンズに取り付ける前に、PLフィルターを回転させて最適な角度を見つけます。
角度によって効果が変わるため、ファインダーを覗きながら調整します。
水面やガラス面を撮影する際は、反射が抑えられる角度を探します。
空を撮影する際は、空の青さが強調される角度を探します。
被写体によって最適な角度は異なるため、撮影するたびに調整することが重要です。
NDフィルターとは何か?その効果と使い方
NDフィルター(減光フィルター)は、レンズを通過する光の量を減らすフィルターです。
明るい場所でのスローシャッター撮影や、絞りを開放して被写界深度を浅くしたい場合などに使用します。
NDフィルターを使用することで、通常では撮影が難しい、流れる水や雲の流れなどを表現することができます。
NDフィルターの種類:
1: ND2~ND1000など、減光率(光の量を何分の一にするか)が異なる様々な濃度のフィルターがあります。
ND2は光の量を1/2、ND4は1/4、ND8は1/8と、数値が大きくなるほど減光率が高くなります。
2: 固定式NDフィルター:減光率が固定されているフィルターです。
3: 可変式NDフィルター:減光率を調整できるフィルターです。
光の量に合わせて減光率を調整できるため、便利です。
4: ハーフNDフィルター:フィルターの上半分だけが減光するフィルターです。
空と地面の明るさの差が大きい場合などに使用し、露出差を調整します。
NDフィルターの使い方:
NDフィルターの減光率を選びます。
撮影するシーンや明るさによって適切な減光率を選びます。
三脚を使用します。
NDフィルターを使用すると、シャッタースピードが遅くなるため、手ブレを防ぐために三脚の使用が必須です。
露出を調整します。
NDフィルターを使用することで、シャッタースピードが遅くなるため、露出を調整する必要があります。
絞り値やISO感度を調整して適切な露出に調整します。
PLフィルターとNDフィルターの選び方と注意点

PLフィルターの選び方・種類と注意点
PLフィルターを選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
1: レンズ径:使用するレンズのフィルター径に合ったものを選びます。
2: 品質:高品質なフィルターは、色味に影響を与えず、高解像度で撮影できます。
3: 薄枠タイプ:レンズフードとの干渉を避けるため、薄枠タイプがおすすめです。
4: 防汚コート:汚れや指紋が付きにくく、お手入れがしやすい防汚コートが施されているものがおすすめです。
NDフィルターの選び方・種類と注意点(固定式・可変式・ハーフND)
NDフィルターを選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
1: 減光率:撮影シーンや明るさによって適切な減光率を選びます。
2: 種類:固定式、可変式、ハーフNDなど、撮影シーンに合わせて適切な種類を選びます。
固定式は減光率が固定されているため、複数枚用意する必要があります。
可変式は減光率を調整できるため、便利です。
ハーフNDは空と地面の明るさの差を調整する際に使用します。
3: 品質:高品質なフィルターは、色味に影響を与えず、高解像度で撮影できます。
4: 耐久性:長く使えるよう、耐久性のあるフィルターを選びましょう。
PLフィルターとNDフィルターの併用と注意点
PLフィルターとNDフィルターは、同時に使用することで、より高度な表現が可能です。
例えば、明るい場所での水景撮影では、PLフィルターで反射を抑え、NDフィルターでスローシャッター撮影を行うことで、水の動きを滑らかに表現できます。
併用する際の注意点:
PLフィルターを先に装着します。
PLフィルターとNDフィルターを併用する場合は、PLフィルターを先に装着します。
ケラレに注意します。
フィルターを重ね付けすると、特に広角レンズを使用する際は、ケラレ(画面の四隅が暗くなる現象)が発生する可能性があります。
画質への影響に注意します。
フィルターを重ね付けすると、画質に影響を与える可能性があります。
高品質なフィルターを使用しましょう。
まとめ
この記事では、PLフィルターとNDフィルターの違い、それぞれの効果、選び方、使い方について解説しました。
PLフィルターは反射光を抑え、NDフィルターは光量を減らすことで、それぞれ異なる表現を可能にします。
どちらのフィルターも、風景写真撮影において非常に役立つアイテムです。
それぞれのフィルターの特性を理解し、撮影シーンに合わせて使い分けることで、より魅力的で、表現力豊かな風景写真を撮影できるようになるでしょう。