
美しい写真、憧れますよね。
でも、カメラの設定って難しそうと感じていませんか。
実は、写真の仕上がりを大きく左右する要素の1つに「絞り」があります。
今回は、カメラの絞りについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。
絞りとF値、被写界深度の関係性から、様々な撮影シーンにおける具体的な設定例まで、写真撮影の幅を広げるヒントをご紹介します。
目次
カメラの絞りとF値・被写界深度の関係

絞りとは何か?F値の意味を理解する
カメラの絞りとは、レンズの中にある絞り羽根のことです。
この羽根の開閉によってレンズを通過する光の量を調整します。
絞りの大きさはF値(Fナンバー)で表され、数値が小さいほど絞りは大きく開き、多くの光を取り込みます。
逆に、数値が大きいほど絞りは狭く閉まり、少ない光しか取り込みません。
例えば、F2.8はF16よりも多くの光を取り込みます。
F値は、レンズの焦点距離と絞り口径の比で表され、F値が小さいほど明るいレンズと言えます。
被写界深度とは?絞りとボケの関係
被写界深度とは、ピントが合っているように見える範囲のことです。
絞りを絞る(F値を大きくする)と被写界深度が深くなり、写真全体にピントが合うようになります。
逆に、絞りを開放する(F値を小さくする)と被写界深度が浅くなり、ピントの合っている範囲が狭くなり、背景がボケた写真になります。
背景ボケは、人物を際立たせたり、主題を強調したりする効果があります。
被写界深度の調整は、写真表現において重要な要素です。
F値と画質の関係・回折現象について
一般的に、F値の中間値(例えばF5.6~F8あたり)では、レンズの性能を最大限に発揮し、シャープで高画質な写真が撮れます。
これは、レンズの中心部に近い光しか使わず、レンズの周辺部の歪みや収差の影響を受けにくいためです。
しかし、F値を極端に大きくすると(絞りすぎると)、回折現象という現象が発生し、逆に画質が低下することがあります。
回折現象とは、光が障害物(この場合は絞り羽根)の縁で回り込む現象で、画像がぼやけてしまう原因となります。
そのため、F値は、画質と被写界深度のバランスを考えて設定することが重要です。
絞りを使った撮影テクニック・シーン別設定例

人物撮影における絞りの使い方
人物撮影では、背景をぼかして人物を際立たせるために、絞りを開放気味(F2.8~F5.6など)に設定することが多いです。
これにより、人物にピントが合い、背景が美しくボケた、ポートレートらしい写真が撮影できます。
被写体との距離や背景の状況によって適切なF値は変化するので、実際に撮影しながら調整するのがおすすめです。
風景撮影における絞りの使い方
風景写真では、前景から背景まで全てにピントを合わせたい場合が多いので、絞り込み気味(F8~F16など)に設定するのが一般的です。
これにより、被写界深度が深くなり、広大な風景全体にピントが合ったシャープな写真が撮影できます。
ただし、絞り込みすぎると回折現象が発生する可能性があるので、F16あたりを目安に、撮影状況に合わせて調整しましょう。
三脚の使用もおすすめです。
夜景撮影における絞りの使い方
夜景撮影では、暗い場所でも明るく撮影するために、絞りを開放気味(F2.8~F4など)に設定することが多いです。
しかし、絞りを開放しすぎると、星などの点光源が大きくボケてしまう可能性があります。
そのため、F値とISO感度、シャッタースピードを調整し、適切な露出とボケ具合を見つける必要があります。
三脚は必須です。
スポーツ撮影における絞りの使い方
スポーツ撮影では、動きの速い被写体を捉えるために、シャッタースピードを速く設定する必要があります。
そのため、絞りを開放気味(F4~F5.6など)に設定して、十分な光量を確保することが重要です。
絞りを開放しすぎると被写界深度が浅くなるため、ピント合わせには注意が必要です。
被写体の動きに合わせて、適切なシャッタースピードとF値の組み合わせを見つけることが大切です。
まとめ
今回は、カメラの絞り、特にF値と被写界深度の関係、そして様々な撮影シーンにおける絞りの使い方について解説しました。
絞りは、写真の明るさやボケ味、そして画質に大きく影響を与える重要な要素です。
最初は難しいと感じるかもしれませんが、この記事を参考に、実際に撮影しながらF値を調整し、自分なりの最適な設定を見つけてみてください。